中国

広州市壁

広州市は広東省の省都で、こんにち大発展する中国沿岸部の中心都市である。この地が開かれたのは、紀元前9世紀の周代のこと。当時は中華文明とは異質の存在だった楚や百越の人々によって“楚庭”という都市が造られたという。 秦漢期 秦の始皇帝は紀元前214年…

紹興城壁

浙江省の中規模都市・紹興。 紹興酒で知られるこの街は、夏王朝時代の禹が治水に訪れた時から歴史が始まる。 紀元前490年には“臥薪嘗胆”の故事で知られる越王勾践が都を置き、始皇帝の統一後は会稽郡が置かれた。 隋唐期に越州が置かれ、さらに南宋の紹興元…

瀋陽・北陵城壁

瀋陽は17世紀初頭、清朝最初の都が置かれ、盛京と名付けられた。 郊外には初代・太祖ヌルハチと2代・太宗ホンタイジの二人の皇帝が眠る陵墓がある。 前者を福陵(東陵)、後者を昭陵(北陵)という。今回紹介するのはホンタイジとその皇后の眠る昭陵。 建立は順…

無錫の城壁撤去、そして復元計画

江蘇省南部の水郷都市・無錫。 太湖に面した旧市街を取り囲んでいた城壁は、1950年撤去された。無錫は3000年以上の歴史を持つが、「無錫県」が置かれたのは漢高祖五年(BC202年)のこと。 県、ということは必然的に城壁を持つことになる。 当時の城壁は版築で造…

上海城壁古写真

明嘉靖32年(1553年)に倭寇防備の為築かれた上海県城。辛亥革命後の1914年、北西部の一角(大境閣)を残して完全に撤去、濠も埋め立てられ環状道路となった。「天円地方」の原則から、基本的に中国の城壁都市は方形であるが、江南から南では円形城壁も多い。上…

万里の長城

万里の長城は約5000kmに渡って続くが、ここは北京北東約100km付近の慕田峪(ぼでんよく)長城。観光客が一番多いのはそれより北京に近い八達嶺長城だ。 より当初の姿に近い(過剰に“復元”されていない)との触れ込みだったのでこちらを訪れたが、十分に“復元”さ…

成都城壁

蜀漢の都成都。 三国志の時代には二重の城壁に囲まれていたが、この写真に見られる清代再建の市壁は全長11kmに及ぶものの一重であり、主要各門には甕城が設けられていた。1958年、毛沢東の「交通の障碍となる」との指摘を受け本格的に撤去が進められ、現状で…

瀋陽・大東門

瀋陽(奉天)の大東門。正しくは撫近門という。 瀋陽は満州族の故地にあり清帝国最初の都・盛京として、清代を通じて重視された。そのため城壁・城門の規模も雄大であり、門の扁額に満州文字が使われているのも特徴的であった。内城は方形、外城は円形というのも…

西安市壁

中国・西安の市壁。唐王朝の長安の北壁部分に、規模を大幅に縮小して作られた明代の建築。 府城レベルの城壁がほぼ完全に残っており貴重。2005年3月訪問。

湖南省・鳳凰古城市壁

湖南省に昔のまま残る街、という触れ込みで人気の「鳳凰古城」。 しかし城壁は大部分が復元で、街中は中国人観光客でごった返し、雰囲気は良くなかった。 上の写真は唯一残る城門と甕城。甕城部分の入り口は城門に対して垂直には開いておらず、定石通り。 下…

マカオ市壁

マカオ(澳門)の市壁は、他の中国都市と同じく完全に撤去され、セントポール教会跡の脇にわずかに残るのみである。しかしその建築と撤去の経緯は他と事情が異なる。明の輶慶3年(1569)よりポルトガル人入植者によって築かれたため、一般的中国城壁と形状も建築…

蘇州市壁

水郷都市・蘇州の市壁。蘇州も完全な城壁が20年代まで残っており、当時の写真も多い。 2007年6月訪問。

四川省・松藩

四川省・松藩の市壁。 九寨溝の宿屋街でタクシーと交渉して立ち寄った。大部分の城壁は再建したもので真新しく風情がなかった。 特に城楼は新築感ありありだが、一部城壁は昔のまま残っていた。 2007年8月訪問。

山東省曲阜・魯国古城壁

山東省・曲阜は戦国時代魯国の首都であった。 その版築の城壁が、崩壊寸前ながらも畑の中に一部残っている。2008年12月訪問。

北京城古城壁

北京城の古城壁は現在、北京駅北側の東南角楼から西に延びる一部と、内城西側のごく一部しか残っていない。 城門も東南角楼と前門(正陽門)、徳勝門の箭楼のみが残る。この写真は北京駅北側の残存城壁。北京城の城壁は50年代から徐々に取り壊され、60年代の…

平遙の古城壁

中国で最も完全な形で保存されている山西省・平遙の古城壁。 一周6.2km、高さ8〜12mの城壁はほぼ正方形をしているが南部は波打った形状をしている。その形状から「亀城」とも呼ばれる。 現在残るのは明代に建てられ、1980年代に修復されたもの。2004年12…