バチカン市国市壁





バチカン市国の起源は4世紀、使徒ペトロの墓の上に造られた聖堂にある。
この聖ピエトロ大聖堂はローマ市を囲むアウレリアヌスの城壁の外、テベレ川を挟んだ対岸に位置し、元来無防備のままであった。
しかし教皇レオ4世(847-855)の時代になるとサラセン人の侵略に備え、初めてその周囲を囲む城壁が築かれた。
ルネサンス期に入り教皇パウルス3世(1534-1549)、ピウス4世(1559-1565)、更にウルバヌス8世(1623-1644)らによって稜堡式城郭として強化が図られ、現在に至っている。
バチカン美術館の入場門付近の城壁は、ピウス4世時代の物である。
重火器が擡頭したルネサンス期以降の城壁が大部分だが、レオ4世時代の古風な城壁もわずかに残る。

市壁総延長3.2km。

上:バチカン美術館入場門付近
下:MS LiveSearchMapsより最西端部分の稜堡。


2008年8月訪問。